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「N³ エヌキューブ」のある風景~2024年7月12日(金)静岡県伊豆市 防災観光拠点「テラッセ オレンジ トイ」オープン

                           

NTN株式会社の自然エネルギー商品の主力である移動型独立電源「N³ エヌキューブ」。コンテナ型なので、有事の際にはトラックに搭載し、被災地に移動が可能です。停電時でも、わずかな時間で太陽光や風力で電力を供給できるため、出動初期には住民の皆さんを情報途絶から救う携帯電話の充電、その後は被災生活を支えるなどの活用方法が期待されています。

「N³ エヌキューブ」は、導入自治体のニーズによって、バスの待合所モデル、循環式水洗エコトイレモデル等さまざまなバリエーションがあり、エコトイレモデルは水道インフラのない山頂で観光客に喜ばれているほか、今年1月の能登半島地震では、導入自治体(奈良県五條市)の意向で、石川県能登町にも派遣されました。そんな「N³ エヌキューブ」のある風景を伝えていくこの企画。今回は、まさに市が市民と一体となって震災、津波被害に備える静岡県伊豆市への「N³ エヌキューブ」派遣をレポートします。


●南海トラフ地震に備える伊豆半島の西岸、伊豆市

温泉をはじめ、さまざまな観光資源に恵まれる伊豆半島。その一方で、そもそも火山活動を繰り返しながらプレートの北上とともに陸地がつながって出来上がった半島だけに、1974年の伊豆半島地震をはじめ、群発的な地震に見舞われる地域となっています。

そうした中で、7月12日(金)、静岡県伊豆市に防災観光拠点「テラッセ オレンジ トイ」がオープンするということで、そのオープニングセレモニーに、「N³ エヌキューブ」が展示されることになりました。伊豆市は、伊豆半島の西岸、駿河湾に面したエリアから、『伊豆の踊子』や『天城越え』などでも知られる天城山も含み、広大な面積を有しています。

今回、防災観光拠点「テラッセ オレンジ トイ」は、温泉地としても人気があり、駿河湾フェリーが発着し、土肥金山という佐渡金山に次ぐ生産量を誇ったという観光施設もある土肥地区に完成しました。

防災観光拠点「テラッセ オレンジ トイ」

●雨の中、行われたオープニングセレモニー

首都圏からも多くの人が訪れる海水浴場に面した地上4階建ての施設。同地域は2018年に全国で初めて津波災害特別警戒区域(オレンジゾーン)に指定され、以来、地域住民と共に津波対策を考える中で「観光防災まちづくり」のシンボルとして計画。観光機能と津波避難タワーの機能を持つ、観光客の安心安全を追求する施設として完成しました。

「テラッセ オレンジ トイ」の名称は、市民からの公募で決定。美しい夕日と、テラスからの風景、土肥地区の方言も掛け合わせており、「てらっせ」は土肥の方言の「こらっしゃー」(来なよ)に、「おれんじ」は「おらっち」(私の家)と響きが似ていて、「私たちの、土肥にいらっしゃい」という意味や「地元の人から親しまれるように」という思いが込められているそうです。

タワーの中には、地元の魚介を扱う飲食施設やお土産ショップもあり、また10m以上の津波を想定した3階以上のスペースには、1200人の避難民を収容できるとしています。

あいにくの雨により大型テント内で開催となったオープニングセレモニーでは、地元議員や近隣自治体の市長、国土交通省関係者などからの挨拶があり、午後には、計画に携わった大学教授らが、完成に至るまでにどのようなプランがあり、どのように地域住民とのディスカッションが行われたかを語るトークショーも行われました。

 ●「N3 エヌキューブ」、循環式水洗エコトイレモデルを展示

今回、展示を行ったのは「N³ エヌキューブ」の循環式水洗エコトイレモデル。実機と共にパネル展示も行われ、見学の方へは、有事の処理能力も含めた、「N³ エヌキューブ」の底力が説明されました。

伊豆半島は1月に震災が発生した能登半島と、地形や環境に似た部分が多く、近隣自治体の市長さんも解説に熱心に耳を傾けておられました。

これまでも有事の際のトイレの必要性に理解を示される自治体の方々は少なくありませんでしたが、移動可能なトイレであっても、汚水処理を被災地の下水道に頼る構造のタイプでは、震災で使用不可能になるケースがあることも知られるようになり、インフラに依存しない循環式水洗エコトイレには関心が集まってきています。 地震が頻発する伊豆半島で、今回施設が誕生した土肥地区は、地震発生から津波が海岸を襲うまでの想定時間が6分とされ、避難困難地域とされていました。その中で「それでもこの街で生きていく」ために、防災と地域づくりに携わる大学教授らプロの叡智を集め、市民と議論し、単なる避難タワーでなく、観光施設としてオープンさせたことは「観光客の安心安全」というメッセージの表れ。賑わいも作りながら、備えも行うという、今後の防災施設のあり方のスタンダードになっていくことを感じさせられます。

これからも「N³ エヌキューブ」と縁のある街での、地域の方々の防災への想いや考え方を伝えていきたいと思います。

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