2022年に移動型独立電源「N³ エヌキューブ」が静岡県 榛原郡吉田町様のシーガーデンシティ構想で整備された水防センターに採用されました。「水防センター」と導入された「N³ エヌキューブ」の紹介及び吉田町様のご担当者にインタビューした内容を紹介します。
静岡県 吉田町のシーガーデンシティ構想とは
1000年に一度の大津波への備えに対して、「津波防災まちづくり」を進めることによって、『新たな安全』を創出するとともに、北オアシスパーク(防災公園)の情報発信機能を活用しながらシーガーデン(多目的広場、海浜回廊、河川防災ステーション、県営吉田公園など)や町内各所への人の流れを「賑わいまちづくり」によって喚起し、『新たな賑わい』を創出する取組を一体的に進め、魅力あるまちづくりを行う町独自の取り組みです。
水防センター
吉田公園の南側(大井川河口西側)に、国土交通省が整備した「大井川川尻地区河川防災ステーション」は、災害時の堤防補強など「水防活動」を行う際に必要となる土砂などの緊急用資材を備蓄しておくほか、資材の搬出入やヘリコプターの離着陸などに必要な作業スペースを確保するもので、災害時、当該箇所は水防活動の拠点となることが想定されています。
吉田町では水防活動を行う拠点として必要な機能を備えた「水防センター」を同ステーション内に整備し、2022年3月に完成しました。
導入された「N³ エヌキューブ」
「水防センター」には20ftの「N³ エヌキューブ」2基が採用されています。「N³ エヌキューブ」は、風車と太陽光で発電し、搭載された蓄電池に充電されます。内部は、倉庫として運用され、水防に必要な機材や備蓄品が保管されています。
「水防センター」には「N³ エヌキューブ」の他に多目的スペースや展望台が設置されており、室内のエアコンや照明などの稼働に必要な電力は、すべて「N³ エヌキューブ」で賄われます。地域で局所的な停電が発生した際には、「水防センター」から「N³ エヌキューブ」を切り離してトラックで運搬し、停電地域に設置し、発電した電力を供給することも可能です。
吉田町ご担当者へのインタビュー
吉田町ご担当者のインタビューについて紹介いたします。
—導入したきっかけは?
「水防センター」を整備することが決まった際、大きな課題として整備用地に水道が引かれていなかったり、電線が引かれていなかったり、インフラ面での課題を抱えていました。
そのような課題を解決する手段を検討する中で、今回の事業に合ったものではないかということで検討しました。
整備用地ですが、非常に海に近い場所になっていまして、塩害の危険性が、懸念されていました。
風が非常に強いという場所でもあり、強風に耐えられて塩害の対策もしっかりできるそういった施設を検討しなければならなかったのですが、そのような面でもこの「N³ エヌキューブ」については非常に丈夫なコンテナを使った施設として整備が可能ということで、また強風も風車に生かすことができるのではないかというところも決めての一つになりまして、今回導入に至りました。
—購入の決め手は?
「N³ エヌキューブ」を見させていただいて、同様の製品が無いかなということで色々見させていただきましが、プレハブに太陽光を設置してあるパターンであったり、また太陽光や風車といったものが別に設置されるパターンだったりというのがありましたが、コンテナと一体となり、建物として整備が可能というものがなかなかありませんでした。
なおかつ風車を使っているというところが一つのポイントになっておりまして、太陽光を使って発電をするという施設はいくつか見受けられましたが、海に面した非常に風が強い地域に建てることと、それに当たって自然エネルギーをうまく活用したいというコンセプトを考えた際に、やはり風車は一つ絶対に必要なものになってくるだろうというところが決め手になりまして、今回、この風車と太陽光を備えた丈夫な施設を整備できるということで「N³ エヌキューブ」の導入を決めたというのが、経緯になっています。
—購入後の感想は?
導入後ですが、周りの景色がものすごくいいところに建てていただいています、それに当たって周辺でウォーキングやサイクリングをする方がたくさんいらっしゃって、「この風車って何なんだろう」とか「この施設って一体どんな施設なんだろう」というのを非常に皆さん気にかけてくれています。
普通の倉庫をつくったりとか、あとはオーソドックスな観光用の建物を建てたりということになるとなかなか興味を持ってくれるということがないのですが、今回「N³ エヌキューブ」を導入したことによって、非常にインパクトのある施設ができて、それによって町の施策の一つである水防センターの整備事業について、非常に興味を持ってくれているというところがありました。
町としてもどんなまちづくりをしているのかというところに興味を持ってもらえ、町の施策を皆さんに浸透させていきたいそういった気持ちも持っていたものですから、非常によかったなというふうに感じております。